快眠のためには入浴後の過ごし方がとても重要です。今回は体温の変化を上手に活用し、心地よい眠りに導くためのポイントをご紹介します。
人間の体温は体内時計によって変動しており、睡眠や覚醒のサイクルに深く関係しています。体温は、朝の目覚め時に最も低く、だんだん上昇していきます。夕方から夜にかけてピークに達し、その後は下降していきます。この体温の下降が眠気を引き起こすきっかけになるとされているのです。
そして、この体温の下降を助けてくれるのがお風呂。入浴によって体温が上昇すると、血管が拡張して血流が良くなります。湯船から上がった後は、拡張した血管から熱が放散されやすくなるため、体温が徐々に下がっていくのです。この体温の変化が、身体を睡眠に適した状態に導いてくれます。
快眠のためには、寝る1~2時間前に、ぬるめのお湯(39~40℃)につかるのがおすすめです。10~15分くらいゆっくりお風呂につかって心と身体の緊張をほぐしましょう。リラックスすると副交感神経が優位になり、脳もすっきりと落ち着いて、眠りにつきやすくなります。
お風呂から上がった後の過ごし方もぐっすり眠るための大切なポイントです。
まずは、部屋の照明を工夫してみましょう。眩しすぎる光は避け、暖かみのある電球色の明かりがおすすめです。夕日のような優しい色合いの灯りは心も体もリラックスさせてくれます。
寝る前のスマホやテレビは控えめにしましょう。スマホなどから発せられるブルーライトは、脳を刺激して目覚めさせてしまいます。静かな環境でゆったりとした時間を過ごすのが一番ですね。
また、就寝前のコーヒーやお酒は避けた方が良いですね。コーヒーに含まれるカフェインは目覚まし効果があります。利尿作用もあるため、トイレが近くなるかもしれません。お酒も眠りを浅くしてしまうので、熟睡できないことがあるそうです。
布団に入る時の手足の温かさにも気をつけましょう。冷えきってしまうと体の芯まで温まりにくくなり、眠りの質が下がってしまいます。お風呂上りは、手足を冷やさないようにするのがポイントです。もし冷えてしまったら、湯たんぽなどで温めなおすのも良いでしょう。
自然な眠気が訪れた時がぐっすり眠るチャンス。タイミングを逃さず、すぐに布団に入れるよう、寝室の環境を整えておくのが大切ですね。
夏は、寝室を快適な温度に保つことが大切です。26~28℃くらいが理想的だと言われています。湿度も50~60%前後に調整しましょう。寝付きが悪くなってしまわないよう、エアコンや扇風機で上手に温度管理をするのがポイントです。
一方、冬は暖房や加湿器などを使って、寝室を乾燥しない心地よい空間にしましょう。16~20℃前後の温度と、40~60%の湿度が快適な睡眠を促してくれます。ひんやりとした布団に入ると、せっかくの眠気が飛んでしまうかもしれません。湯たんぽなどで布団を温めておくのも良い方法ですね。
理想的な睡眠習慣を毎日完璧に続けるのは、なかなか大変かもしれません。でも、そんな時は「今日だけは絶対に気持ちよく眠ろう!」と決めて、特別な日を設けてみるのも良いでしょう。
お風呂の効果的な活用法も快眠への近道の一つです。体温の変化を味方につけて、リラックスした状態で眠りにつく。そんな理想的な流れを目指してみてはいかがでしょうか。試行錯誤を楽しみながら、自分だけの快眠ルーティーンを見つけていってくださいね。