気象病にまつわるケアコンテンツ監修
佐藤 純 さん
医師・医学博士。名古屋大学教授を経て愛知医科大学客員教授、
中部大学生命健康科学研究科教授。愛知医科大学病院疼痛緩和外科・いたみセンターにて日本初の「天気痛外来」を開設。気象病、天気痛研究・診療の第一人者。テレビ等マスコミでも多数活躍中。
「雨が降ると古傷が痛む」とか「季節の変わり目は体調を崩しやすい」など、天気と体調を紐づける言葉は、多くあります。「天気が崩れると頭痛がする」なんて人も、少なくないのでは? こういった気象に影響を受ける不調を総じて「気象病」と呼んでいるんです。
これらの不調を引き起こす要因は、いくつかあり、代表的なものが「気圧」「気温」「湿度」の3種類。これらが耳の奥の内耳や自律神経に作用して、さまざまな症状として現れてくるのが「気象病」の正体です。
気象庁や総務省統計局のデータをみると、日本の全国平均で雨の日は年間117日。実に3日に1度は雨が降っているということになります。
夏の前に訪れる梅雨の時期や、秋の訪れとともにやってくる台風など、日本は表情豊かな四季があるものの、言い換えれば気候の変動が大きいということ。いわば「気象病」大国ともいえる環境なのです。
「気象病」の原因でもっとも多いのは気圧の変化による「頭痛」です。頭痛の症状が出た時、多くの人は「鎮痛剤を飲む」という選択をされるのではないでしょうか。
しかし、自分の頭痛と天気の関係がわかれば、薬に頼ることなく、症状がでる前に対処することもできるようになります。
たとえば、気象病と耳の奥の内耳には、深い関係があるので、内耳の血行をよくするマッサージや、耳を温める「耳温熱」といった対策をするだけでも、症状が出にくくなったり、痛みを軽減する効果が見込めますよ。ぜひ、一度お試しください!
佐藤純監修
『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』アスコム 2022
p.3〜12