Column40代〜50代の女性向けゆるれこコラム

【更年期の基礎③】更年期症状と更年期障害は違うの?診断と主な治療について知ろう。 

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更年期の基礎シリーズ第3弾

更年期症状について以下二つのコラムで、私たち世代の不調と更年期の関係をお伝えしてきました。

🔸 【更年期の基礎①】「これが更年期?」40代から感じた心身の変化!アンケートでわかったこと

🔸 【更年期の基礎②】私の体はどうなってしまうの?知っておきたい更年期症状のポイント

本記事ではさらに踏み込んで、更年期症状と更年期障害の違いをお伝えします。更年期に起こりがちな具体的な不調症状を実際の体験談と一緒にご紹介しています。

更年期症状と更年期障害は違うの?

更年期には、ホルモンバランスの乱れによりさまざまな不調を引き起こすことがあります。
しかし、更年期の不調=更年期障害とは限りません。どんな状況だと更年期障害と診断されるのでしょうか。

日本産婦人科学会では【更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います】と定義しています。

つまり、更年期に起きるさまざまな不調が、他の病気が原因でないと判断できれば、その不調は“更年期症状”と呼ぶことができます。そしてその不調のせいで、これまで通りの生活ができないレベルに達した状況を“更年期障害”と呼びます。

普段通りの生活ができない不調とは?

更年期障害を経験した方の体験談をご紹介します。

🔸Aさん:
立ち上がれないほどのひどい頭痛や吐き気が…。ひどい日にはめまいや微熱も出て、会社を休まなければならない日が続いた結果、通勤や勤務の継続が難しくなり退職することとなりました。

🔸Bさん:
会議中、動悸が続いたり突然滝のような汗が頭から流れ、仕事に集中できない日があります。寝ているときも寝汗がひどく、夜中に何度も着替えなければならないのが大変です…最近ぐっすり眠れる日がほとんどありません。

🔸Cさん:
理由もなく気持ちがふさぎ込んでしまい、今まで好きで楽しめていた趣味もやる気になりません。最近は朝もすっきり起きられず、疲労感が続いています。毎日の家事も苦痛で、やりたいのにできない自分を罪悪感に苛まれて責めてしまいます。


家事や仕事などの活動が苦しくなったり、自身の気持ちのコントロールがうまくいかない、周囲との関係性に影響するなど、これまで当たり前に過ごしていた日常を保つことが難しい状況になる様です。

更年期は除外診断

今まで通りの日常生活ができない日々が続くと、内科、整骨院、マッサージなど、さまざまな病院や療法を転々としてしまうこともあります。原因不明の不調の日々を過ごすのはつらいですよね。長引く不調を感じたら、一度産婦人科に行ってみよう!という選択肢をぜひ持っておいて頂ければと思います。

では、産婦人科に行くとどのような診察を受けるのでしょうか。

不調がほかの病気からきているものではないと否定され、合わせてホルモン値の低下が確認された場合に、初めて更年期による症状であると診断されます。これを除外診断と言います。すでに他科を受診して「異常なし」と診察されている場合、産婦人科でその旨を伝えましょう。

問診では、月経や病歴、生活環境などを確認します。また、血液検査や超音波検査、ホルモン値の測定などをして、総合的に判断されます。

更年期の主な3つの治療法

主な治療法は3つあり、基本的にどれも保険が適用されます。

🔸ホルモン補充療法(HRT)
更年期を引き起こす原因となるエストロゲンを薬で補う治療法です。ホットフラッシュと呼ばれるほてりやのぼせに特に有効です。薬には内服薬のほか、塗り薬や貼り薬があり、近年さまざまなHRTの薬が登場しています。婦人科で受診し、明らかなエストロゲンの減少がみられる場合に適した治療法だとされています。持病によっては使用を控えた方がいい種類の薬もあるので、先生と相談して使用していきましょう。

🔸漢方薬
植物の葉、茎、根などを用いた生薬と呼ばれる薬、漢方薬を使った治療法もあります。その中でも更年期によく使用されるのが「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」「加味逍遙散」です。なんらかの理由でホルモン補充療法が適用できない人にもおすすめの方法です。

🔸カウンセリングによる治療
気分の落ち込みやイライラ、情緒不安定、不眠など、精神的な症状が強いときはカウンセリングによる心のケアを行います。カウンセリングで症状が改善される人もいれば、抗うつ剤などの薬を使用して症状を抑える治療をする場合もあります。

今回、更年期の症状と障害との違い、また実際の体験談や治療法について解説しました。原因の分からない不調があれば、病院へ相談することは悪いことではありません。話を聞いてもらったり、検査をしてもらったりするだけで、解決の糸口が見つかることでしょう。

どこに行けばいいかわからないという人は、 「日本女性医学学会」のHPから で近くの病院を探してみてください。女性特有のヘルスケアを専門としている病院が検索できますよ。
「日本女性医学学会」  https://www.jmwh.jp/